NEUROSURGICAL EMERGENCY
Online ISSN : 2434-0561
Print ISSN : 1342-6214
時代とともに変貌する脳神経外科救急診療への対応と今後の課題~40代医師の視点から
大宅 宗一荒木 尚櫻井 淑男庄島 正明松居 徹
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2021 年 26 巻 1 号 p. 1-9

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抄録

 救急医療は社会基盤の1つであり,その時代が求める機能を備えることが理想である.脳卒中と頭部外傷を中心に発展してきた脳神経外科救急体制においても,治療法の発展と社会の要請に応じて変革が迫られている.本稿では,著者らの施設における閉塞性脳血管障害への血栓回収療法に適応した脳神経外科救急体制の構築,周産期母子脳神経外科救急の発展,成人および乳幼児に対する虐待に起因する脳神経外科救急,そして成人・小児脳死判定と臓器移植への対応,などを通して,40代という年代の医師の貢献について考察した.来る医師の働き方改革に対応するためには医師の業務時間の短縮は避けられないが,そのような状況下でも現在の救急診療の質と量を維持する必要がある.そのためには,現場の業務も管理の重要性も理解する40代の医師が中心となって,一部の業務を他の職種に移管したり他の職員と共有したりするというシステムの改革,そして他業種や地域との連携を進めること,などが重要ではないかと考えられた.

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© 2021 日本脳神経外科救急学会
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