抄録
糖-アミノ酸褐変反応生成物のケイ光反応をキシローズーグリシン系について検討し, 次の結果を得た。
1) 褐変化にさきだってケイ光の出現がみられ, 比較的褐変反応の初期段階において, ケイ光強度の著しい増大がみられた。
2) 加熱反応物ならびにその透析内液, 外液のセファデックスG-25によるゲル濾過パターンより, ケイ光反応は透析性のやや高分子の着色還元性物質と透析性の低分子還元性物質に認められた。
3) 褐変反応物のDEAE-セルローズカラムクロマトグラフィーから3~4種の着色ケイ光物質と3種の無色のケイ光物質が分離され, ペーパークロマトグラフィーにおいても4~5種のケイ光物質を, 濾紙電気泳動において, 3~4種のケイ光物質を検出した。
4) 褐変色素メラノイジンの過マンガン酸カリによる酸化解重合にともなってケイ光は増大し, さらに酸化解重合の進むにつれて再びケイ光の消光減少がみられた。