栄養と食糧
Online ISSN : 1883-8863
ISSN-L : 0021-5376
シイタケにおけるホルムアルデヒド生成機構
岩見 公和安本 教傳満田 久輝
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1974 年 27 巻 8 号 p. 393-397

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抄録
シイタケ子実体磨砕液にC-S lyaseの活性を含むγ-glutamyl transpeptidaseを加えたときホルムアルデヒド生成量は著しく増加するが, 両酵素にそれぞれ特異的な阻害剤hydroxylamineやserine-borate mixtureの存在下では生成がかなり抑制されることを認め, ホルムアルデヒド生成に対する両酵素の重要性を明らかにした。 また, γ-glutamyl transpeptidaseの作用によってレンチニン酸からグルタミル基を離脱させた「新含硫アミノ酸」がC-S lyase (あるいはalliinase) の作用をうけて生ずるホルムアルデヒドは, 基質分解量とピルビン酸生成量に等しく, システィニルS-置換基部分に由来することを推定した。 さらに, des-Glu-レンチニン酸に対するC-S lyaseの反応性を調べ, 最適pHが8~9にあって著しく高い親和性 (apparent Km; 6~70μM) を有することを示した。 このように, シイタケ子実体を磨砕したり, 乾燥品を水戻しする際に著量 (およそ240ppm) 生成したホルムアルデヒドは, レンチニン酸を出発物質としてフレーバー生成に関与する少なくとも2種類の酵素, すなわちγ-glutamyl transpeptidaseとC-S lyaseの共役反応後にレンチオニン生成に至ると同じ経路から派生したものである証拠を与えた。
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© 社団法人日本栄養・食糧学会
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