栄養と食糧
Online ISSN : 1883-8863
ISSN-L : 0021-5376
分子蒸溜による高酸價米糠油の精製
小原 哲二郎岡 啓次郎
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1951 年 3 巻 4-5 号 p. 138-139

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抄録
高酸價の米糠油は食用油又はグリセライドとして利用する場合, 通常のアルカリ精製法による脱酸は甚だ困難で, 收率悪く酸價60以上のものは斷念している状態である。もし分子蒸溜法を適用することにより精製が可能ならば國内の食用油缺乏の現状を打開するに貢献するところ大なるを思い本實驗を行つた.
本報文には高酸價 (酸價123及び49.9) の米糠油に對し分子蒸溜法を適用した實驗結果を記載した。氣壓10-4mm, 浴温230-250℃ に於て高酸價米糠油は概ね理論量に近い脱酸が可能であり, 脱酸油の變質が輕微で脱色も容易である。
終りに臨み, 分子蒸溜裝置は水産試驗場東博士の好意により使用することが出來た。東博士に深謝する。
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© 社団法人日本栄養・食糧学会
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