栄養と食糧
Online ISSN : 1883-8863
ISSN-L : 0021-5376
脂質の榮養價に關する研究
東 秀雄金田 尚志
著者情報
ジャーナル フリー

1951 年 3 巻 4-5 号 p. 144-153

詳細
抄録
長須鯨油及び魚油又はその硬化油a 重合油の榮養價を白鼠を用いて試驗し次の如き結果を得た。
(1) 長須鯨油の榮養價はかなり高い。
(2) 長須硬化油は如何なる程度に硬化しても原油よりも特に良くなると云う事は無い樣である。
(3) 長須重合油は重合の進むにつれ榮養價が低下するが, 特に毒性を示すことはなく, 又輕度重合油は臭氣少く榮養價も大で利用し得るものと思われる。
(4) 硬化鰮油は沃素價90程度の時最も榮養價が高い。
(5) 基本飼料中に比較的多量の酵母を含む場合, 輕度重合油の榮養價はかなり高い。
(6) 酵母の少い場合でも重合油は毒性を示すことはなく, 又高度重合油も相當利用される。
(7) 鰮重合油の榮養價は重合油製造の際使用する觸媒の種類によつて異り, 酸性白土を觸媒とする場合は鹽化アルミを用いた場合よりもはるかに良い榮養價を示し, 白土を用い沃素價を126に迄低めた重合油は大豆油に優る榮養價を示した。
著者関連情報
© 社団法人日本栄養・食糧学会
前の記事 次の記事
feedback
Top