栄養と食糧
Online ISSN : 1883-8863
ISSN-L : 0021-5376
ウスターソース中のパルプ量について
山田 四郎茂木 義資
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1977 年 30 巻 6 号 p. 377-380

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抄録

ソース中のパルプ量を測定するに際, 増粘剤が入っていると正確な値を得ることが難しい。そこで本法による増粘剤を除去してからパルプ量を測定した。パルプ量は遠心沈澱の容量で表わした。
1) 増粘剤を洗い流すため, 水および希塩酸溶液で洗浄したところ, pH 3.0以上では, 洗浄回数が進むにしたがい遠心沈澱量は増加した。しかしpH 2.0以下では減少し, 4回目の洗浄でほぼ一定となった。その効果は, 電解質の十分な維持のためと考えられた。
2) 増粘剤としてコーンスターチ, バレイショデンプン, グアーガム, タマリンドガム, トラガカントガムあるいはアラビアガムを含むモデルソース中のパルプ量を本法で測定した。その結果, 本法での増粘剤の上積み率は0~25%であった。本法では, 増粘剤をほとんど除去することができ, パルプ量を求めるに十分に活用できる方法であった。なお, 増粘剤使用量が多い場合にいくぶん上積みがみられ, まだ改良の余地をのこし, 検討を要する点がある。
3) 市販ソースのパルプ量を本法で測定したところ, 中濃ソースでは12~20%, 濃厚ソースでは13~26%であった。

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© 社団法人日本栄養・食糧学会
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