2018 年 35 巻 3 号 p. 350-355
多巣性運動ニューロパチー1症例で歩容の特徴とその変化を筋力低下が進行した増悪期(発症3ヵ月後)と筋力が改善した改善期(発症8ヵ月後)に三次元動作解析装置を用いて解析した.増悪期では筋力低下に伴い立脚終期の過度な足関節背屈,遊脚終期の背屈減少,立脚期の膝関節過伸展,遊脚終期の股関節伸展を認め,足関節底屈モーメントの増大,膝関節伸展モーメントの不足,股関節伸展モーメントの増大を示した.改善期に筋力が改善したことで遊脚終期の足関節背屈減少以外の関節角度変化は改善を認めたが,関節モーメント変化は全般的に増悪期と同様であり改善は乏しかった.