神経治療学
Online ISSN : 2189-7824
Print ISSN : 0916-8443
ISSN-L : 2189-7824
原著
筋萎縮性側索硬化症に対する診断後早期からの包括的支援~言語聴覚士の立場から~
山本 悦子知念 亜紀子間嶋 満荒木 信夫
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2019 年 36 巻 1 号 p. 35-39

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抄録

筋萎縮性側索硬化症(amyotrophic lateral sclerosis:ALS)の患者に対し,当院ではガイドライン作成以前の2007年から神経内科とリハビリテーション科などが連携し,診断後早期から包括的支援チームによる診療を開始した.これまで,日本においては言語聴覚士(speech–language–hearing therapist:ST)が診断後早期から継時的にALS患者の診療にかかわった報告は少ない.本論文では診断後早期からSTが包括的支援チームの一員として参加したことが,進行する嚥下・構音機能障害の経過の予測を可能とし,多職種と連携して残存機能を最大限に活用することで,代用手段をタイムリーに駆使することが可能となった.その結果として日常生活動作と生活の質(quality of life:QOL)を維持することができたALS患者2例を報告した.

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© 2019 日本神経治療学会
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