神経治療学
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症例報告
視床下核脳深部刺激療法術後に病的性欲亢進をきたしたParkinson病の1例
眞木 二葉長谷川 泰弘曽我 海馬太組 一朗松森 隆史鈴木 祐柳澤 俊之山野 嘉久
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2021 年 38 巻 3 号 p. 395-398

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抄録

症例は73歳,男性.Parkinson病発症14年後に両側視床下核脳深部刺激療法(subthalamic nucleus deep brain stimulation:STN–DBS)を行った.開始後,運動機能が改善し,ドパミンアゴニストを減量することが可能となった.しかし,8ヶ月後から意欲低下を認めたため,ドパミンアゴニストを再開したところ,術前には存在しなかった病的性欲亢進(hypersexuality:HS)をきたした.ドパミンアゴニストの中止では症状改善は見られず,DBSの刺激位置を背側方向へ移動させることにより,症状の改善を得た.STN–DBSにより,HSが出現する機序として,STN腹内側部の辺縁系領域への刺激の波及が推定されており,DBSの刺激位置を変更することが症状改善につながったものと推察された.DBS施行患者において,HSは刺激調整により改善させうる可能性がある,見逃してはならない症状と考えられた.

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© 2021 日本神経治療学会
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