青年期における牛乳摂取状況とパーソナリティ特性との関連について検討した.大学生840人に対して無記名自記式質問紙を配布し,760人から回収 (回収率91.1%),うち,基準に該当する755人分を分析対象とした.牛乳が身近にある環境であるか否かと,摂取頻度3水準の組み合わせから,対象者の牛乳摂取状況を6群に分けた.本論では,牛乳が身近にある環境要因は共通しているにも関わらず,摂取頻度が大きく異なる「環境あり× 高頻度摂取」群と「環境あり× 低頻度摂取」群の2群で比較を行った.高頻度摂取群の健康行動では,食生活と歯の健康に気をつけている人が多かった.パーソナリティについては,主要5因子検査を用いて両群の比較を行ったところ,低頻度摂取群において協調性と勤勉性がより低いという傾向が見られた.望ましい健康習慣のひとつである牛乳摂取の維持・促進にあたっては,対象者のパーソナリティの違いを考慮に入れたアプローチの検討が有用であることが示唆された.