神経治療学
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Print ISSN : 0916-8443
ISSN-L : 2189-7824
臨床研究
Parkinson病患者における非運動症状に関するアンケート調査研究
波田野 琢森内 康夫山本 潤希牧野 怜奈土井 一生川島 勝
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2024 年 41 巻 1 号 p. 49-54

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抄録

Parkinson病(Parkinson Disease:PD)の症状には運動症状と非運動症状があるが,wearing–off(WO)の有無は主に運動症状の変動で判断されている.本研究はWOを伴う非運動症状の発現状況や時期等を明らかにするために「全国パーキンソン病友の会」(Japan Parkinson's disease association:JPDA)会員を対象にアンケート調査を行った.結果,1,301名の回答を得た.levodopa製剤を服用している患者676名のうち,WOを伴う非運動症状が認められた患者は324名(47.9%)であった.また,WOと診断されている患者568名のうち,WO診断以前から非運動症状が出現していた患者は327名(57.6%)であった.この327名のうち,levodopa製剤で症状が改善すると回答した患者は133名(40.7%)であった.本研究から,早期治療期において,運動症状だけでなく非運動症状についてもWOの兆候に十分に注意すべきであると示唆された.

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© 2024 日本神経治療学会
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