2024 年 41 巻 1 号 p. 64-68
ミエリンオリゴデンドロサイト糖蛋白抗体関連疾患(myelin oligodendrocyte glycoprotein antibody associated disease:MOGAD)は多彩な臨床病型を呈するが,なかでも自己免疫性脳炎を表現型とする,脳炎型MOGADについては未だ知見が少ない.今回,我々は脳炎型MOGAD 3例を経験した.全例で頭痛,視神経炎を認め,2例で37.5°C以上の発熱を認めた.全例で脳血流や脳灌流に左右差を認めた.全例に対してmethylprednisolone療法を行い,1例は血漿交換と免疫グロブリン大量静注療法を併用し,全例で症状が改善した.視神経炎を合併もしくは既往に持つ脳炎や,頭痛を伴う脳炎,脳血流の左右差を認める脳炎では脳炎型MOGADを鑑別に挙げるべきである.