神経治療学
Online ISSN : 2189-7824
Print ISSN : 0916-8443
ISSN-L : 2189-7824
治療経験レポート
当院におけるgalcanezumabによる片頭痛治療のリアルワールドデータ
山元 正臣古川 義浩宮内 敦生原 渉門間 一成海田 賢一
著者情報
ジャーナル フリー

2024 年 41 巻 3 号 p. 442-446

詳細
抄録

Galcanezumabは,実臨床において片頭痛を効果的に抑制する.本研究は,当院でgalcanezumabを投与した片頭痛患者35例を対象に,治療反応率,副作用,予防薬の薬剤数の変化を検討した.その結果,治療開始後1ヵ月での月間片頭痛日数の50%反応率は42.9%であり,反復性片頭痛で64.7%,慢性片頭痛で22.2%であった.副作用は4例(11.4%)で,いずれも軽度であり,重篤な副作用はなかった.Galcanezumabは治療開始早期から片頭痛発作を効果的に抑制することが示された.また,慢性片頭痛に比べ反復性片頭痛例で効果が顕著であることが示された.Galcanezumabは,反復性片頭痛の段階で適切に使用することで,慢性化への移行を防ぐことに期待される.

著者関連情報
© 2024 日本神経治療学会
前の記事 次の記事
feedback
Top