神経治療学
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総説
薬剤誘発性運動疾患―神経疾患からみた治療方策
榊原 隆次小松 尚也笹平 夏代篠遠 仁
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2024 年 41 巻 3 号 p. 447-452

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抄録

統合失調症治療薬である向精神薬による薬剤誘発性運動疾患(medication–induced movement disorders:MIMD)について,関連する脳神経内科疾患の画像を引用しながら治療方策を述べた.MIMDの症候にはParkinson症候群,ジスキネジア/ジストニア,アカシジア,カタレプシー/カタトニア,悪性症候群,高プロラクチン血症などがあり,脳神経内科医も遭遇することが少なくない.MIMDの発現には,ドパミン受容体遮断と2次的な過敏等が推定されている.方策は,薬剤休薬に加えて,原疾患に対してはドパミン受容体遮断作用の少ないbrexpiprazoleなどへの変更,運動低下型の追加処方としてlevodopa,運動亢進型の追加処方としてvalbenazineなどが注目されている.一方,頻度は少ないがバルプロ酸,リチウム,抗うつ薬,アミオダロン性MIMDもみられる場合があり,注意を要する.患者の生活の質の改善のために,精神科・脳神経内科の協力が期待される.

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© 2024 日本神経治療学会
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