神経治療学
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症例報告
遅発性放射線障害による首下がり症の2例
板澤 里歩吉田 広樹鈴木 千恵子西嶌 春生冨山 誠彦
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2025 年 42 巻 5 号 p. 873-876

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抄録

頚部への放射線治療後に遅発性の首下がり症(dropped head syndrome:DHS)を呈した2症例を経験した.症例1は69歳女性.61歳時に上咽頭癌,右副神経リンパ節転移に対する化学放射線療法を施行した.66歳頃から首下がりが出現した.頚部筋などの筋力低下や萎縮を認めた.針筋電図検査では筋原性変化と神経原性変化が混在していた.症例2は77歳男性.67歳時に甲状腺原発悪性リンパ腫に対して放射線治療を行った.77歳頃から首下がりが出現した.頚部造影MRIでは頚部筋に造影効果を認めた.2症例はいずれも症状が放射線照射野に限局していたことから,放射線治療後の神経筋障害と診断した.癌の治療成績が向上し,長期生存が可能となった患者が増加していることから,今後遅発性放射線障害によるDHSの症例は増加する可能性があり,神経内科医が知っておくべき疾患と考えられる.

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