2026 年 43 巻 1 号 p. 53-56
【目的】腰椎穿刺後頭痛(post lumbar puncture headache:PLPH)は診断的腰椎穿刺(diagnostic lumbar puncture:dLP)の重要な合併症である.従来型穿刺針(Quincke型)でなく非外傷性針(Sprotte型)を用いるとPLPHの発症率を下げるとされるが,使用頻度は極めて少ない.非外傷性針を用いたdLPの有用性と課題を検討する.
【方法】2016年以降のdLP(連続87例)を後方視的に検討し,患者背景・PLPHの頻度と期間・処置について,針の種類により群分けし,比較検討した.
【結果】非外傷性針でのdLPは21回,従来型穿刺針でのdLPは31回であった.年齢・性別・BMI・基礎疾患には差がなかった.PLPHは非外傷性針群で0回,従来型穿刺針群で7回(22.6%)と非外傷性針群で有意に少なかった(p<0.03).従来型穿刺針群の6例で補液を要し,平均期間は5.5日だった.非外傷性針群での穿刺困難例は高齢で腰椎病変が強い例・皮膚抵抗が強く貫けない例の2通りがあったが,後者は穿刺時の工夫で回避可能だった.
【結語】非外傷性針を用いたdLPはPLPHを減らすための有用な選択肢と考えられた.