本論文は,斎藤秀三郎の英文法書における動詞や述部の統語分析の変遷について研究する。斎藤は,明治期 の日本で「英学の巨人」と呼ばれた。斎藤(1898)は,5 文型で提示されたのと同じ方法で動詞を分類し た。しかしこれまで,斎藤がどのように統語分析を発展させたのかについては研究されてこなかった。本論 文では,斎藤が著した,動詞や述部についての記述が見られるすべての英文法書を調査し,William Swinton やJohn Collinson Nesfield の英文法書との関連や,斎藤の統語的な分析の変遷について明らかにする。