本研究は, トンネル内の照明灯具の腐食・損傷を, AIを用いて自動判定することを目的としている. これまでの点検は主に人の目視に依存しており, その人の経験値などによって, 判断基準の一貫性に課題があった. 本研究では, 深層学習の1つである畳み込みニューラルネットワーク(CNN)と, さらに高度なモデルであるResNetを用いて照明灯具の腐食・損傷の判定を行った. また, 従来の判定手法はすべての教師データに物体検出のためのバウンディングボックス(Bounding Box)という長方形の枠で対象を囲う処理を行う必要があり, 実用的な作業量ではなかった. そこで本研究では, 物体検出ための処理を行わずに照明灯具の腐食・損傷を判定する手法を採用し, 実際にAIが照明灯具の形状を捉えていることが確認された.
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