日本口腔診断学会雑誌
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臨床報告
含歯性囊胞の感染に起因した小児のGarré骨髄炎の1例
脇本 仁奈内田 啓一落合 隆永大木 絵美杉野 紀幸藤井 健男篠原 淳田口 明
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2015 年 28 巻 3 号 p. 235-240

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抄録
今回われわれは,含歯性囊胞の感染に起因した小児のGarré骨髄炎と診断された1例について報告した。患者は4歳,男児で右側下顎臼歯部の腫脹部の精査を主訴として来院した。受診時,左側頰部から顎下部に圧痛と開口障害を伴う腫脹を認め,顔貌は左右非対称であり,左側下顎大臼歯部の頰側歯槽粘膜部に圧痛を伴う瀰漫性腫脹を認めた。画像所見では第二乳臼歯は歯根吸収を認め,病変内部に一部包含され,頰側皮質骨外側には層状の骨膜反応を認めた。全身麻下にて口腔内から左側下顎第二乳臼歯を抜去し腫瘍摘出術を行った。病理学的所見では非角化性重層扁平上皮に裏装されて囊胞様構造を認め,上皮下結合組織は浮腫性の炎症細胞浸潤を伴っていた。臨床症状,画像所見および病理組織学的所見からの総合的診断により,含歯性囊胞の感染に起因したGarré骨髄炎と診断した。小児期における顎骨骨髄炎に対しては,消炎処置後に原因歯の抜去と囊胞摘出を行うことにより良好な治癒経過が得ら,早期の診断と治療が重要であることが示唆された。
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© 2015 日本口腔診断学会
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