2003 年 15 巻 6 号 p. 671-681
本論文では, パターン識別問題に対するファジィシステムのアンサンブル学習手法を提案する. 提案手法で は, 2種類のファジィシステムが用いられる. 一つはファジィ識別器であり, 複数のファジィ識別器が入力パ ターンの識別結果を出力する. もう一つのファジィシステムはファジィアンサンブルシステムであり, 各ファ ジィ識別器に対する信頼度を入力パターンに応じて決定する. 提案手法が,単一のファジィ識別システムより も良い性能を得ることをいくつかの実世界パターン識別問題を用いた数値実験により示す. また, 提案手法の 問題点として, 膨大な数のファジィ If-Then ルールが使用されることが挙げられる. そこで, 遺伝的アルゴリ ズムによるルール選択手法を用いてコンパクトなファジィ識別器を構築することを試みる. 提案手法をコンパクトなファジィ識別器で構成させることにより, よりコンパクトなアンサンブルシステムの構築が可能である ことを示す.