データが非線形な特異性を持っている場合への主成分分析の応用として, データの布置に最もよく合う非線形座標系を求める一般化主成分分析法が提案されている. 一方, 曲面や球面上に分布したデータの局所的な構造を抽出するシェルクラスタリング法は, 画像認識などへの応用が研究されている. 本研究では, メンバシップを考慮した一般化主成分分析法に最小絶対誤差に基づく定式化を導入することにより, ロバストなジェルクラスタリング法を提案する. 拡張次元におけるマイナー成分分析とFCM法の融合手法である提案法は, 線形クラスタリング法であるBezdekらのFuzzy c-Varieties (FCV)法のアルゴリズムを非線形構造の抽出に応用したものであり, 線形多様体の抽出と球状のクラスタリングの優先度を決めるトレードオフパラメータを変化させることにより, 初期分割に依存しないクラスタリング結果が得られる. 数値実験では, 従来の可能性的制約を用いたジェルクラスタリング法との比較を通して,最小絶対誤差に基づく手法の有効性を示す.
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