知能と情報
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原著論文
エントロピーを導入したファジィc-平均法の統計力学的解釈
安田 真古橋 武大熊 繁
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2005 年 17 巻 4 号 p. 468-476

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抄録

本論文の目的は, これまでファジィクラスタリングと統計力学との対応関係に関して得られた知見について総括するとともに, 新たに得られたBose-Einstein分布型の帰属度関数を用いた正規化の制約のない可能性クラスタリングの枠組みを示し, そのクラスタリングメカニズムの解釈を行うことである.データのクラスターへの帰属度の評価尺度としてShannonエントロピーを導入したファジィc-平均(FCM)法は帰属度関数としてMaxwell-Boltzmann(あるいはGibbs)分布を, また, ファジィエントロピーを導入したFCM法はFermi-Dirac分布と同じ帰属度関数を与える.この対応関係で, ファジィクラスタリングにおける正規化の制約は, 統計力学的な全粒子数一定の制約に相当する.さらに, 物理的には粒子数が保存されない状態も存在し, この状態を記述する分布関数がBose-Einstein分布として知られている.そこで, 統計力学的とのアナロジーから, このBose-Einstein分布型の帰属度関数を求めてそのクラスタリングアルゴリズムを提案することで, 正規化の制約のないファジィクラスタリングの可能性を示した.

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© 2005 日本知能情報ファジィ学会
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