知能と情報
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原著論文
ファジィ区間データに基づく期待効用と情報量の分析
吉川 伸一奥田 徹示浅居 喜代治
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2005 年 17 巻 6 号 p. 735-748

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抄録

本論文では, 区間の境界があいまいなデータをファジィ区間データと呼び, それを用いた期待効用値と情報量の分析を考察している.ここでは, Zadehにより定義されたファジィ事象の確率概念を用いて, ファジィ区間データに基づく期待効用値と情報量を定式化している.しかしながら, ファジィ区間データのメンバシップ関数を直接的に取り扱う手法では, メンバシップ関数の形状を正確に把握する必要があるということと, 計算が非常に複雑となり効率的ではないという問題がある.この問題を解決するため, 我々はメンバシップ関数の中心値を代表値として取り扱う実用的な手法を提案する.これにより, ファジィ区間データが与えられたときでも, 通常の期待効用分析とさほど変わらない手法を示すことができる.また, 実際のファジィ区間データが与えられる状況では, 常に左右対称形のメンバシップ関数でファジィ区間データを表現できるとは限らないので, 台形型メンバシップ関数が左右非対称な場合を設定し, 数値例を実行した.その結果, 我々が提案している手法の有用性を示すことができた.

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© 2005 日本知能情報ファジィ学会
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