知能と情報
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原著論文
多次元データに対するユーザの主観的知識の可視化手法
山本 康高吉川 大弘古橋 武
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2006 年 18 巻 1 号 p. 81-90

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抄録
ファジィ理論は科学に主観を取り入れる手法として注目されてきた. また, 近年, チャンス発見をテーマとする研究において, ユーザの主観を利用することの重要性が指摘されている. 本論文では, ユーザがデータに対して持つ主観的理解を可視化する手法を提案する. この可視空間は, 自らの主観の内省及び, 他者との知識の共有や議論を可能とする. 提案手法では, ユーザがデータの特徴を説明していると思う言葉をリストアップし, その言葉に関連すると思う変数を選択する. それら変数を線形結合した射影軸を求め, 可視空間を構築する. この線形射影軸の導出に主成分分析と正準判別分析を用いる. 陸上の十種競技のデータに対する主観を可視化し, 従来の解析法とは異なる新しい視点からデータを解釈できることを示す. さらに, 十種競技における変数の全ての組み合わせに対して主成分分析法を適用した結果および, 因子分析法を適用した結果との比較から, ユーザによる変数選択とその可視化の意義を明らかにする.
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© 2006 日本知能情報ファジィ学会
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