知能と情報
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原著論文
個人の注目特徴に基づく形状創成 (注目特徴の明示化による潜在的感性の外在化)
柳澤 秀吉村上 存福田 収一
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2006 年 18 巻 4 号 p. 534-544

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抄録

本論文では, 計算機とのインタラクションを通した, 個人の感性に基づく形状創成の計算機支援手法を提案する. これまでに, 意匠形状などの感性的なイメージを言語等で外在化困難な, 「表現として潜在的な感性 (Tacit Kansei) 」を解決する研究が活発に行われてきている. 一方, 自分自身も気づいていない, 「心理的に潜在する感性 (Latent Kansei) 」については, 意識的に議論されてこなかった. 本論文では, 後者のLatent Kanseiに注目する. 提案する手法は, ユーザの注目する形状特徴を, 計算機により推定しユーザに明示することでLatent Kanseiの喚起を促す. そして, ユーザが選択する注目特徴に基づき, 新たな形状を生成する. このインタラクションの繰返しを通して, ユーザの内省を促し, Latent KanseiおよびTacit Kanseiの両面の外在化を支援する. 注目特徴の推定には, ラフ集合理論の縮約計算を応用する. 本手法の有効性を検証するため, ユーザの感性にもとづく形状の処理に適用する. 被験者による実験の結果から, 本手法の有効性を示す.

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© 2006 日本知能情報ファジィ学会
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