知能と情報
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ショートノート
論文LATEX原稿からのプレゼンテーションスライド自動生成
宮本 雅人酒井 浩之増山 繁
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2006 年 18 巻 5 号 p. 752-760

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抄録

研究のプレゼンテーションでは, 限られた時間の中で, 聴衆に研究成果をよく理解してもらうために, プレゼンテーションスライドの作成が必要不可欠である. しかし, スライドの作成には多くの時間と手間を要する. そのため, 多くの研究者がスライド作成の効率化を望んでいる. 本研究では, 研究者の負担軽減を目的として, 論文LATEX原稿からスライドを自動生成する手法を提案する. 本手法では, LATEXファイルの解析, スライドへの内容の割り当て, 接続詞を利用した箇条書き生成を行なう. LATEXファイルの解析では, スライド生成に必要な情報は残し, 不要な情報の削除を行なう. LATEXファイルの定型的な構造を利用すれば, 必要な情報を特定することが可能である. スライド割り当てにおいては, 論文中での名詞の出現頻度, エントロピー, idf 値に基づいて名詞の重要度を計算する. その重要度に基づいて, 各セクションに対して, スライド枚数の割り当て, 重要文の抽出を行なう. 接続詞を利用した箇条書き生成においては, 並列関係を表す接続詞を利用する. なぜなら, 並列関係を表す接続詞を含む文には, その文と対になる文が存在する場合が多いからである. 評価の結果, 本手法は論文に忠実なスライド生成に有効であることがわかった.

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© 2006 日本知能情報ファジィ学会
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