知能と情報
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原著論文
段階的可能性アプローチを用いた局所的な数量化分析法によるアンケートデータの分析
呉 志賢本多 克宏市橋 秀友牧瀬 太一
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2008 年 20 巻 2 号 p. 255-264

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抄録
アンケートデータのような多変量カテゴリカルデータは,個体や項目に数量的得点を与え,それを低次元配置することによって,内在する構造を把握することができる.数量化分析3類や等質性分析,双対尺度法は,本質的には同等の解に至る点で類似した解析法と見なせる.これらの手法では,個体や項目の数が多い場合には人間が直感的に意味を捉える有用な低次元表現を得ることは難しい.等質性分析にファジィクラスタリングを融合し,個体と項目の両方を分割しながら知識発見に有用な低次元散布図を得る手法が提案されている.その手法では,一意な解を得るために2種類のメンバシップを導入している.しかし,項目のメンバシップについては通常とは異なる制約条件が用いられるため,各項目の絶対的な重要度がわかりづらいという欠点がある.本研究では,可能性的な制約に条件を修正することでメンバシップの意味合いを明確にすることを試みる.またインターネットに関するアンケートデータへの適用を試み,基礎集計と提案法を併用することで効果的な適用法とその有用性を示す.
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© 2008 日本知能情報ファジィ学会
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