2008 年 20 巻 3 号 p. 357-368
自動車事故を事前に回避するため,衝突の危険性を判断し,回避軌道を生成する安全運転支援システムを提案する.衝突の危険度を求めるため,車両軌道の事象の確率に基づく推定方法を提案する.実データに基づき,ドライバの運転操作を考慮したベイジアンネットによるドライバモデルを構築する.構築モデルに基づき,予め用意した複数の運転操作関数に対して,交通状況に適応した重み付けを行う.シミュレーションより事故が発生する場面と発生しない場面の危険度推移の差異を明示,及び車載カメラ動画像からのすれ違い場面における危険度をドライバの感覚と比較することで提案システムの有効性を示す.本システムは,対象車と衝突しないための運転操作を知ることができ,将来的には,車両の自動制御を行うことで衝突回避することが可能である.