知能と情報
Online ISSN : 1881-7203
Print ISSN : 1347-7986
ISSN-L : 1347-7986
原著論文
CUDA 環境におけるデータ並列化を用いた遺伝的アルゴリズムの実装手法
大礒 正嗣松村 嘉之保田 俊行大倉 和博
著者情報
ジャーナル フリー

2011 年 23 巻 1 号 p. 18-28

詳細
抄録
多数の演算器を持ち並列計算可能な Graphic Processing Units(GPU)は,近年,CPU をはるかに上回る演算性能を持つようになり,GPU を用いて数値計算を高速化する研究が多くなされている.進化計算の計算量に対しても GPU 計算が注目されており,遺伝的アルゴリズム(GA)の分野において,集団の並列化についていくつかの議論が緒についた.本稿では,GPU 向け開発計算環境である CUDA を利用して,集団の並列化だけでなく個体単位での並列化を行うことによりGAの高速化とオーバーヘッドの隠蔽を行う実装手法を提案する.進化計算のベンチマークである関数値最小化問題とアプリケーションである進化ロボティクス問題に対して提案実装手法を適用し,計算機実験を行った.結果として,提案実装手法は従来の CPU による計算に対して 7.6~23.0 倍の高速化を達成した.
著者関連情報
© 2011 日本知能情報ファジィ学会
前の記事 次の記事
feedback
Top