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ロボットサービスイニシアチブ(RSi)
中村 剛士
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2013 年 25 巻 2 号 p. 59

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抄録

ロボットサービスイニシアチブ(RSi)は,ネットワークを介して公共空間や生活空間でサービスを提供するロボットを対象としたロボットサービス向けソフトウェア基盤の整備をする団体であり,2004年3月に設立された.RSi が提供するロボットのサービスモデルは,ロボットやサービスプロバイダ,サービスポータル,ユーザ等から構成される.そのモデルでは,同期・非同期の通信による動作や動作パターンの指示や結果の取り出し,ロボットからプロバイダへの問合せ・通知,サービスの提供,ユーザを含む外界とのやり取りを行うことができる.

ロボットをインターネットに接続する利点は,人とロボットが協調してサービスを提供するロボットを実現できること,インターネット上のコンテンツを再利用できることにある.これによりサービスコストの軽減や新しいビジネスの創出が可能となる.RSNP(Robot Service Network Protocol)は,このモデルに従ってサービスのプロトコルを規定し,異なるベンダが独立して開発したロボット/サービスの間での相互運用が実現できる.

RSNPのアーキテクチャは,ロボットがネットワークに接続して通信する上で必要となる共通機能を提供するための「RSi共通サービス」と,様々なロボットの機能に対応できるように機能ごとに提供する「プロファイル群」の二つから構成されている.RSNPは,このモデルに従ったサービスのプロトコルをWSDLを用いて標準として規定しており,異なる実装間の曖昧性を排除し,相互接続を実現することにより,異なるベンダが独立に開発したロボットとサービス間での相互運用が実現できる.また,WSDLを用いることで下位層との独立性を実現しており,Webサービスで用いられるHTTPだけでなく,ロボット起点のプッシュ通信に対応している.

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© 2013 日本知能情報ファジィ学会
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