知能と情報
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触力覚インタフェース(Haptic Interface)
マッキン ケネスジェームス
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2013 年 25 巻 5 号 p. 159

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抄録

触力覚インタフェース(Haptic Inteface)は,人間の皮膚への触覚あるいは手などへの力覚を用いて,ユーザに対して情報を提示するインタフェースあるいはデバイスのことである.力覚を提示する力覚ディスプレイ(Force Display)と触覚を提示する触覚ディスプレイ(Tactile Display)に大きく分類することができる.身近な応用としては,携帯電話のバイブレータなどは力覚ディスプレイとして,着信通知などに利用されている.その他,力覚ディスプレイの応用として,航空機の操縦桿へサーボモータを利用し,操縦士への力覚フィードバックを通じて,飛行状態の異常を提示するのに利用されている.触覚ディスプレイの代表例としては,点字ディスプレイなどがある.

仮想現実(Virtual Reality)および拡張現実(Augmented Reality)の研究分野では,触力覚インタフェースは活発に研究されており,力覚フィードバックを行う3Dマウスや3Dペンにより,3次元オブジェクトへの直観的操作やオブジェクトの質感(重さや弾力性)などもユーザへ提示することができる.また,液晶タッチパネルと組み合わせた触覚ディスプレイなどにより,画像の変化と合わせて指へ振動や抵抗を提示することにより,直観的な操作感覚を与えることができるため,携帯情報端末への応用も進められている.

また,疑似触力覚(Pseudo-Haptics)を応用した研究も進められている.疑似触力覚とは,主に視覚からの情報を元に,触力覚を疑似的に知覚させる錯覚現象のことである.例えば,ユーザのマウス操作が投射されたマウスカーソルなどの視覚刺激の速度変化によって,擬似的な触力覚を生じさせることができる.疑似触力覚を応用することにより,様々なインタフェースに触力覚を付加する可能性が示されている.

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© 2013 日本知能情報ファジィ学会
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