知能と情報
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原著論文
瞳孔の相対的な位置情報を用いた眼球運動のみによる非接触型入力装置の開発
高野 博史大藪 勇希中村 清実
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2014 年 26 巻 2 号 p. 573-580

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抄録
本論文では,事前のキャリブレーションが不要な眼球運動のみによりカーソルを制御する非接触型入力装置を提案する.目位置情報を用いたこれまでの入力装置は,頭部動作を併用するものであった.しかし,筋萎縮性側索硬化症(ALS: Amyotrophic Lateral Sclerosis)など手足に加えて頭部動作が不自由な方は,このような入力装置を使用することが困難である.一方,頭部動作が不要な視線入力装置については,使用する前に視線方向を補正するためのキャリブレーションが必要となり,システムのユーザビリティ低下を引き起こす原因となっている.そこで本研究では,基準点に対する瞳孔中心の距離や方向を用いて眼球運動のみによりカーソルを制御する手法を開発した.本提案法は,頭部動作や事前のキャリブレーションが不要なカーソル制御法である.本研究で開発した入力装置の操作性を評価するために,被験者5名に対してパラメータの値を統一した場合と個人ごとに調整した場合で実験を行った.実験結果より,統一したパラメータ値を用いた実験では,試行回数が増えるにしたがって,ボタンをクリックするまでに要する時間が短縮された.また,個人ごとにパラメータの値を調整した場合,統一パラメータ値を用いた場合に比べてクリックに要する時間が短縮された.これは,パラメータの値を個人ごとに調整することで,操作性が向上することを示している.
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© 2014 日本知能情報ファジィ学会
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