2015 年 27 巻 1 号 p. 527-532
本論文では,他国と自国との間の文化・関心・意見の違いを発見する過程を支援することを目的とする.そのために,ウェブ検索者の情報要求観点を直接収集し,ウェブ検索者の関心動向を迅速に把握するというアプローチをとる.具体的には,日中検索エンジン・サジェストを情報源として,ウェブ検索者の情報要求観点を収集し,それらの情報要求観点を日中間で比較対照分析することによって,他国と自国との間の文化・関心・意見の違いを発見する過程を支援する方式を提案する.この方式により,ウェブ検索者の関心動向の時間的変遷が急激な場合においても,その追随が容易になる.一方,時間的変遷が緩やかな文化・慣習に関する話題の場合も,ウェブ執筆者の関心動向を追跡していたのでは収集が困難な雑多な話題に関する関心の動向の収集が容易になる.