知能と情報
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27 巻, 1 号
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目次
巻頭言
解説
コラム
報告
書評
用語解説
  • 鈴木 正樹
    原稿種別: 用語解説
    2015 年 27 巻 1 号 p. 26
    発行日: 2015/02/15
    公開日: 2017/11/18
    ジャーナル フリー

    光遺伝学とは,自然科学の一分野である.光学と遺伝学を融合した研究分野であり,神経細胞の機能を解明することを目的としている.この分野の特徴は,神経細胞の活動を高精度に制御し,その活動を高解像で観察できる点にある.遺伝子工学を利用して細胞に感光性を持たせた後,この細胞に特定の光を照射することで,所望の神経細胞を興奮・抑制する手法を利用している.所望の神経細胞を興奮・抑制する手法としては,光遺伝学の他に,電気刺激による手法と,薬理学的手法,そして特定の遺伝子を欠損させる手法がある.電気刺激による手法は,特定の神経細胞のみを興奮・抑制できない.また,薬理学的手法は時間的精度が低い.さらに,特定の遺伝子を欠損させる手法は,他の神経による機能補完などの影響を排除できない.光遺伝学はこれらの欠点を全て補っており,特定の神経細胞の活動を高速に制御できる.その結果,自由行動下の動物において特定の神経活動のみを制御可能である.2010年に Nature publishing group によって全分野の中から,最も優れた研究手法として Method of the Year に選定されている.

  • 畠山 豊
    原稿種別: 用語解説
    2015 年 27 巻 1 号 p. 26
    発行日: 2015/02/15
    公開日: 2017/11/18
    ジャーナル フリー

    近年,各医療機関における「医療の質」を評価,可視化することによって改善の取り組みが行われ始めている.電子カルテシステムを多くの施設で導入し,長期間のデータを各施設が維持し集計が比較的容易になったことによって,この様な評価が可能となった.この取り組みおいて評価された指標を Quality Indicator と呼んでいる.また,特に臨床を対象として意識されたものを Clinical Indicator と呼ばれる場合もあるが,基本的には同じものを指している.これらの指標は,在院日数,救急の受付人数などの病院全体についての情報,転倒・転落や褥瘡の発生率などの看護の情報,各専門領域における検査値のコントロール率や治療結果などの疾患ごとの情報や,患者満足度などの統計情報から構成されるのが一般的である.これらの情報は業務改善などに用いられ,さらに医師の勉強会などで用いることで現時点における改善点が明らかになることによって,年毎の指標値が改善された結果の報告がされている.各医療機関の地理的状況や重症患者の割合などが異なっており,これらの前提条件を調整するような指標の定義がされていないため,Quality Indicator による他施設間比較は意味がないが,医療情報の利用という観点からも議論が行われている.

会告
特集:「インターネット上の多様な言語現象の解析・応用」
論文概要
学会から
編集後記
特集論文: インターネット上の多様な言語現象の解析・応用
原著論文
  • 山西 良典, 古田 周史, 福本 淳一, 西原 陽子
    2015 年 27 巻 1 号 p. 501-511
    発行日: 2015/02/15
    公開日: 2015/03/29
    ジャーナル フリー
    インターネットの発展に伴って普及したWebレビューには,有用な情報が含まれている一方で不要な情報も含まれている.そのため,対象の評価視点および評価視点間の関係を捉えることは難しく,レビュー全文を閲覧することはユーザにとって大きな負担となる.本稿では,自由記述形式のレビューにおける評価視点とその評価視点間の関係が不明瞭という問題点を,レビュー構造の俯瞰によって解決可能であると考えた.提案手法では,評価視点の出現頻度とレビュー中の構文特徴を用いることで,レビュー構造の俯瞰に有用な呈示評価視点として,頻出の評価視点と頻出する評価視点に意味的に関連した評価視点を採択する.評価視点抽出実験の結果,評価対象の種別によらず,採択された呈示評価視点には高い適合率が確認された.そして,呈示評価視点採択時に用いた構文特徴を参照することで,獲得する評価視点間の関係の呈示を実現した.
  • 北嶋 志保, ジェプカ ラファウ, 荒木 健治
    2015 年 27 巻 1 号 p. 512-526
    発行日: 2015/02/15
    公開日: 2015/03/29
    ジャーナル フリー
    患者が病気や治療方法を正しく理解し,判断,決定するために,医療情報が必要である.そこで我々は,患者の医療情報入手の助けとなるシステムの開発を目指している.本論文では,ナラティブ情報である闘病ブログのスニペット,全文に対し(薬剤名・対象・効果)で表される薬剤服用情報を,手がかり語と構文情報を用いて抽出する手法の提案を行った.既存の抽出パターンと組み合わせることにより,最大24.8ポイント再現率が向上した.薬剤に関する既存の文書から対象単語辞書を作成し,フィルタとして用いることで適合率が最大21.1ポイント向上した.
ショートノート
  • 聶 添, 陳 磊, 今田 貴和, 宇津呂 武仁, 河田 容英
    2015 年 27 巻 1 号 p. 527-532
    発行日: 2015/02/15
    公開日: 2015/03/29
    ジャーナル フリー
    本論文では,他国と自国との間の文化・関心・意見の違いを発見する過程を支援することを目的とする.そのために,ウェブ検索者の情報要求観点を直接収集し,ウェブ検索者の関心動向を迅速に把握するというアプローチをとる.具体的には,日中検索エンジン・サジェストを情報源として,ウェブ検索者の情報要求観点を収集し,それらの情報要求観点を日中間で比較対照分析することによって,他国と自国との間の文化・関心・意見の違いを発見する過程を支援する方式を提案する.この方式により,ウェブ検索者の関心動向の時間的変遷が急激な場合においても,その追随が容易になる.一方,時間的変遷が緩やかな文化・慣習に関する話題の場合も,ウェブ執筆者の関心動向を追跡していたのでは収集が困難な雑多な話題に関する関心の動向の収集が容易になる.
一般論文
原著論文
  • HATA Ryusuke, MURASE Kazuyuki
    2015 年 27 巻 1 号 p. 533-548
    発行日: 2015/02/15
    公開日: 2015/03/29
    ジャーナル フリー
    Neuro-fuzzy learning algorithms with Gaussian-type membership functions based on the gradient descent method are well-known methods for generating fuzzy rules. In the conventional method, however, increasing the number of inputs greatly increases the number of parameters. Representation of fuzzy rule tables is thus difficult. We propose a new learning approach, the complex-valued neuro-fuzzy learning algorithm, which extends the conventional method domain to the complex numbers. In this method, inputs, antecedent membership functions, and consequent singletons are complex, and outputs are real. For parameter tuning, we use complex back propagation. The method assigns a two-dimensional real number to the real and imaginary parts of the complex number, which is used as a single complex-valued input. This process greatly reduces the number of tuned parameters, leading to the same or better learning than the conventional method. We compare the proposed and conventional methods using several function identification problems and show that the proposed method outperforms its counterpart, making it a useful tool for learning a fuzzy system model.
  • 山口 暢彦
    2015 年 27 巻 1 号 p. 549-559
    発行日: 2015/02/15
    公開日: 2015/03/29
    ジャーナル フリー
    本論文では,観測データの分布を潜在変数の非線形写像を用いて表現することによりデータの可視化を行うGTM(Generative Topographic Mapping)に注目し,特に教師あり学習を用いたGTMの構築法について提案を行う.従来の教師あり学習を用いたGTMの学習法は,データ間の大小やその差に意味のない質的データを教師信号とする分類データを想定しており,データ間の大小やその差に意味のある量的データを教師信号とする回帰データには直接適用することができない.そこで本論文では,量的データを教師信号とする回帰データをそのままモデル化することが可能なGTMの提案を行う.また,一部の出力ラベルが欠損している場合を考慮し,ラベルありデータとラベルなしデータの両方を用いて半教師あり学習を行うGTMについても併せて提案を行う.
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