環境に設置されたセンサで獲得した情報から,公共空間や商業施設などを行き交う人々が構成するグループを検出できれば, そのグループに応じた情報提供が可能となり,さらには施設の利用状況を知る貴重な情報となる.グループの存在を知るにはお互いの距離や視線方向などが有用であるが,混雑していたり,グループが分かれて行動しているときなどでは十分ではない.我々はこのような場合に有用な特徴として,人物間のインタラクションを示すジェスチャーに着目した歩行者グループ検出手法を提案する.提案手法では,防犯カメラで捉えた画像のオプティカルフローの変化でジェスチャーを検知し,人物間距離や視線方向にこの検知結果を加味してグループを検出する.実環境で収集したデータを用いた評価実験を行い,ジェスチャー情報を利用するとグループの見落としが低減できることを確認した.