本研究の目的は,離婚後の父母コペアレンティング,父母との関係性,母親の適応,周囲のソーシャルサポート,別居・離婚等についての説明等と子どもの適応等との関連について,仮説モデルの検証を行うことであった。親の離婚を経験した小学校4年生から中学校3年生までの子どもと,子どもと同居する母親を対象に質問紙調査を行い,別居後面会交流を実施していた166組の親子の対応データを分析対象とした。分析の結果,離婚後の葛藤的なコペアレンティングは,子どもの葛藤の抑圧的な受け止め,自己非難・子どもらしさの棄却を媒介して,子どもの適応の良好さと負の関連が認められた。一方,離婚後の協力的なコペアレンティングや離婚に対する父母からの説明等実感は,父母との関係性と正の関連が認められ,父母との関係性が直接,または家庭外のソーシャルサポートを介して,子どもの適応の良好さと正の関連が認められた。考察では,親の離婚を経験した子ども及びその親に対する心理的支援について検討した。