2019 年 31 巻 4 号 p. 771-778
口唇口蓋裂は,日本では約500人に1人に発症する先天性奇形である.本研究では,口唇口蓋裂を有する患者を対象とし,表情トレーニングに着目した.表情トレーニング導入のための動機づけを目的とし,表出したい表情を患者自身に設定してもらう表情合成ツールを用いる枠組みを提案した.そして,17名の患者を対象とした予備調査を実施し,仮説となる患者の心理プロセスモデルを提案した.仮説(患者の心理プロセスモデル)を検証するために20名の患者を対象とした実験を実施し,仮説が適となることを確認した.