2020 年 32 巻 3 号 p. 713-721
他者とのインタラクションは運転行動における重要な要素であり,スムーズな運転を実現するためには他者とのコミュニケーションを解析する必要がある.現実の運転環境では直接的な意思表示が出来ない状況も多く,自動運転のようなドライバを必要としないアプリケーションではさらに致命的な問題となる.安全なシステムを設計するためには,センサから交通状況を把握し,状況に合わせて交通参加者間のインタラクションを理解する対話知能の実装が重要となる.インタラクションを解析するために,本論文ではPieceWise AutoRegressive eXogenous(PWARX)モデルを用いる.PWARXモデルは記号的な状態と連続的なダイナミクスを切り替えて対象の挙動を表現するモデルであり,運転行動を意思決定によるモード遷移とプリミティブなダイナミクスの組み合わせとして表現する.提案手法の有用性を示すため,インタラクティブなタスクである,狭路でのすれ違い行動を対象としてモデルの検証する.