2021 年 33 巻 3 号 p. 678-685
近年,労働人口の15%が精神疾患を罹患しているといわれ問題となっている.治療には時間がかかるため,常日頃からの予防が求められる.精神疾患の予防の1つに,動物との触れ合いにより癒しや肉体的健康を得る手法がある.著者らは動物の代わりに三次元立体視型のVR技術を用いたバーチャルペットを導入した.バーチャルペットとのインタラクションを行うシステムをVirtual-pet Assisted Activity(VAA)と名付け心理的利点及び生理的利点を獲得することを確認した.しかし,システムの何が要因となり心理的効果や生理的効果に影響を及ぼしたか不明である.本研究では,これらの要因のうち,バーチャルペット要因とユーザの身体動作要因が,心理的・生理的効果に与える影響を調査する.実験の結果,バーチャルペット要因及び身体動作要因は,ともに心理的効果に影響を与えることを確認した.