2021 年 33 巻 4 号 p. 872-884
未知環境において移動ロボットを自律行動させる場合,ロボット自身が自己位置推定および障害物の認識,目的地までの行動計画を行う必要があり,各タスクに応じた作業空間の環境地図を必要な粒度で獲得しなければならない.また,このような自律移動ロボットを災害現場や商業施設など様々な環境へ導入するために,未知環境において状況や用途に応じた経路計画を行う必要がある.そこで本研究では,高精度な自己位置推定のために用いる粒度の細かいメトリックマップから経路計画に適したトポロジカルマップを獲得するために,自律移動ロボットのためのGNGに基づく環境のトポロジカルマップ構築に関する新たな手法を提案する.本提案手法では,メトリックマップに含まれている占有度情報を環境地図の幾何的な構造を保持したまま学習することが可能である.つぎに,提案手法により位置情報と占有度情報を含んだトポロジカルマップを構築し,占有度を考慮した未知環境における経路計画手法を提案する.さらに,実機を用いた検証実験において未知環境における経路計画実験を行うことで提案手法の有効性を示す.