知能と情報
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33 巻, 4 号
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目次
巻 頭 言
特集 1: 「人間共生システム」
特集 2: 「教育システムの現在と未来」
特集 2 解説
書 評
用語解説
会 告
学会から
編集後記
総目次
特集1 : 人間共生システム
原著論文
  • 前田 陽一郎, 岩崎 幹雄, 亀井 且有
    原稿種別: 原著論文
    2021 年 33 巻 4 号 p. 723-732
    発行日: 2021/11/15
    公開日: 2021/11/15
    ジャーナル フリー

    近年,農薬散布,荷物運搬,インフラ点検,リモートセンシング等におけるドローンの活用が盛んになっている.ドローンを使うことによって作業効率や安全性の向上に繋がる.特に農業分野での農薬散布は複数のドローンを用いることによって大幅に時間短縮をすることが可能である.また,アートやエンターテイメントとして群れでドローンを飛ばすといった例もある.このように今後ドローンを群れで制御して活用する機会が増えていくことが予想される.そこで,本研究では人間が群れドローンを操縦して農業や娯楽の分野等で活躍できる集団飛行制御の実現を目指す.ここでは鳥や魚の群行動シミュレーションでよく知られるBoidsと呼ばれるフロッキングアルゴリズムを基に人間の操縦に従った群れドローンの集団飛行制御シミュレーションを行った.Boidsとは3つの基本ルールだけで鳥が群れで集まって飛ぶ様子をコンピュータ上で再現したアルゴリズムであり,本研究ではまず基本ルールのパラメータを遺伝的アルゴリズム(GA)によりチューニングを行った.その後,被験者にシミュレータ上のドローンを1個体および集団全体に対して操縦してもらい,操作性に関する評価実験を行った.

  • 田中 宏太, 加納 政芳, ジメネス フェリックス, 早瀬 光浩, 吉川 大弘, 田中 貴紘, 金森 等
    原稿種別: 原著論文
    2021 年 33 巻 4 号 p. 733-741
    発行日: 2021/11/15
    公開日: 2021/11/15
    ジャーナル フリー

    高齢ドライバの交通事故数低減を目的として,運転の振り返りを行うロボットの開発を進めている.使用者は運転の際にロボットを同乗させ,帰宅後にロボットと共に自身の運転を振り返る.ロボットに対する愛着の高まりが,運転振り返りの際のアドバイスの受け入れやすさ(支援受容性)を向上させる可能性がある.愛着を高める方法としてロボットへの名付けが考えられる.そこで本稿では,ロボットへの名付けに注目して実験を行った.その結果,名付けにより愛着と支援受容性の相関が低下した.ロボットに対する愛着の高まりが支援受容性の向上に直結するとは限らない可能性がある.

  • 孟 曉順, 吉田 直人, 万 キン, 米澤 朋子
    原稿種別: 原著論文
    2021 年 33 巻 4 号 p. 742-756
    発行日: 2021/11/15
    公開日: 2021/11/15
    ジャーナル フリー

    本論文では,鳥肌,発汗,および震えを用いたロボットの皮膚上のクロスモーダルな生理的表現に関する検証を紹介する.人間や他の生物は生理的現象を介して随意的,不随意的な状態を示し,視覚的かつ触覚的表現が皮膚に現れる.特に,上記の3つの不随意表現を組み合わせることにより,感情の表現性と本能的感情の要素や強度に焦点を当てた.検証の結果,ロボットの恐怖感情は,3つの異なる不随意表現のうち1つのみで伝達できたことから,各モダリティの強い有効性による天井効果が起きた可能性がある.この皮膚上のクロスモーダルな生理的表現はロボットの生物感とその他の印象にも影響する.因子分析の結果,恐怖の要素として4因子が抽出された.各因子の標準因子得点の分散分析から,それぞれの因子の表現において3種の不随意な生理表現が有効であること,および少量の発汗と多量の鳥肌表現量の組み合わせにおいて煩慌性が高くなるなど,複数の不随意表現の量的組み合わせにより異なる効果が示された.

  • 峯岸 朋弥, 大澤 博隆
    原稿種別: 原著論文
    2021 年 33 巻 4 号 p. 757-767
    発行日: 2021/11/15
    公開日: 2021/11/15
    ジャーナル フリー

    本研究では,裸眼立体視ディスプレイを使用したバーチャルロボットヘッドと人間の対人距離の有効性と,視線推定について検討する.人間と同じような身体を持つ物理的なロボットが人間とコミュニケーションを行う際の問題点として,人を傷つける恐れがあるため接近動作ができず,常に適切な対人距離を維持できるとは限らないことが挙げられる.身体動作の欠点を克服するため,平面ディスプレイに表示されるオンスクリーンエージェントを使用することが検討されてきたが,これはモナリザ効果を発生させ,観察者が視点を変えてもエージェントから見つめられているように感じてしまう問題がある.本研究では,これらの問題を解決するため,裸眼立体視可能なディスプレイ上に,人型の3Dモデルを表示することによりバーチャルロボットヘッドを開発した.美術館見学のシナリオを用意し,25名の参加者に美術館案内エージェントからどの程度移動したいか尋ねた.また美術館案内エージェントが見つめる先を推定することを求めた.実験の結果から,バーチャルロボットヘッドと人の間に対人距離が適用されることがわかった.またバーチャルロボットヘッドに箱を被せ,観察者に身体を想起してもらうことにより,モナリザ効果が減少することがわかった.

  • 林 勇吾, 下條 志厳
    原稿種別: 原著論文
    2021 年 33 巻 4 号 p. 768-776
    発行日: 2021/11/15
    公開日: 2021/11/15
    ジャーナル フリー

    本研究では,情報システムを用いた創造的活動のファシリテーション方法を取り上げ,創造的な認知活動の促進にどのような要因が関連しているのかに着目した.ここでは,事例生成課題を用いて,どのようなインタフェースや対話方法が認知活動に有用なのか,実験的な検討を行った.実験1では,擬人化や物理的な実在性といったデザイン要因を検討し,ロボットを用いたファシリテーションは,統制条件のファシリテーションがない場合よりも創造的な認知のパフォーマンスを促進することが明らかになった.実験2では,実験1で有用性が確認されたロボットを用いたメタ認知活動を促す対話方法が創造的認知のパフォーマンスにどのような影響を及ぼすのかを検討した.その結果,ファシリテーション内容の確認を導入した場合のほうが,導入しなかった場合よりも創造的な認知のパフォーマンスを促進することが明らかになった.

  • Youdi LI, Eri SATO-SHIMOKAWARA, Toru YAMAGUCHI
    原稿種別: 原著論文
    2021 年 33 巻 4 号 p. 777-786
    発行日: 2021/11/15
    公開日: 2021/11/15
    ジャーナル フリー

    As robots become ever more sophisticated, ubiquitous, and continue to permeate into our everyday life, an important agenda for future studies will be to design and evaluate robots that can adapt its expressions based on user characteristics in real-time and study their effect on perception of the user. To explore the effective expression in human–robot interaction, we intended to endow the humanoid robot Pepper with seven expression patterns showing different combinations of voice and motion traits. The Negative and Anxiety Scale and Big Five Domain Scale were chosen as the phycological indicators, and an online video-based questionnaire was utilized to investigate human perception of robot different expressions. Results have uncovered that robot’s different expressions can elicit individual distinguishing evaluations towards robot. The prominent distinction of personal perceptions among different participants emerges from the data, boosting the idea that the personalized robot with adaptive expression is essential for different individuals and various scenarios. This study provides the first investigations into how to make social robots generate appropriate reactions according to individual inner conditions including personality and attitude towards robots.

  • Takahiro MATSUISHI, Yasutake TAKAHASHI, Satoki TSUICHIHARA
    原稿種別: 原著論文
    2021 年 33 巻 4 号 p. 787-797
    発行日: 2021/11/15
    公開日: 2021/11/15
    ジャーナル フリー

    In recent years, many Robot Technology (RT) and Information and Communication Technology (ICT) have been introduced into the agricultural field. Many of them are aiming to automate tasks such as harvesting strawberries. However, there are many challenges in fully automating such tasks with robots. For example, simplifying the operation of the robot is challenging, and the high initial cost for introducing RT and ICT technologies becomes a barrier for farmers to install them. In the case of soil cultivation, a worker has to bend forward at the waist and move sideways. A wheelchair to reduce the burden of this work on the body is commercially available. However, this chair has only passive wheels, so the worker must move it on their legs. In this study, we developed an electric wheelchair with an intuitive user interface. The chair is equipped with a pressure sensor on the seat and wheels with a motor. Using the pressure sensor, we calculate the direction in which the passenger wants to move from the weight shift of the passenger, and then the chair assists the passenger in the calculated direction. We used Fuzzy control to assist the movement of the passenger to suit the passenger preference of the assistance. To show the effectiveness of the electric wheelchair, we compared the difference of the surface EMG on the lateral great muscle of both legs during the movement on a flat ground using between the proposed electric wheelchair and a passive wheelchair.

  • 桂 大地, 大内 昴, 坂本 大介, 小野 哲雄
    原稿種別: 原著論文
    2021 年 33 巻 4 号 p. 798-810
    発行日: 2021/11/15
    公開日: 2021/11/15
    ジャーナル フリー

    スポーツ心理の分野で応援する観客の存在は競技者の精神状態にポジティブな影響があるとされている.スポーツにおいて,選手のモチベーションを高めることを目的にコーチやパートナーとしてのエージェントの効果を検証する研究が行われてきている一方で,エージェントからの応援の効果は検討されてきていない.本研究ではエージェントによる応援の影響を調査するために,予備実験による実験条件の検討後,競技者の動機づけに対するエージェントの応援の有効性の検討を目的に2つの調査を行った.予備実験では応援のタイミングやエージェントの応援に適したジェスチャの選定を行った.第1調査「動画による仮想エージェントの応援の印象調査」では,初心者とエキスパートそれぞれに「CGアニメーションと音声のエージェントによる応援」,「音声エージェントによる応援」,「応援なし」の3条件による競技者を応援するエージェントの印象をWebアンケートで比較した.続いて第2調査「競技中の参加者に対する仮想エージェントの応援の有効性検証」では初心者に対して「CGアニメーションと音声のエージェントによる応援」,「応援なし」の2条件でのエージェントから競技者への応援の印象を実験室実験で比較した.第1調査からは「CGアニメーションと音声のエージェントによる応援」が競技者のモチベーションを高める効果があることが明らかになった.第2調査からは「CGアニメーションと音声のエージェントによる応援」が競技者のモチベーション及び作業成績を高めることが確認された.

  • 笹竹 晴萌, 田崎 良佑, 山下 貴仁, 内山 直樹
    原稿種別: 原著論文
    2021 年 33 巻 4 号 p. 811-818
    発行日: 2021/11/15
    公開日: 2021/11/15
    ジャーナル フリー

    知能機械やロボットマニピュレータは,エンドエフェクタに専用のツールやグリッパーなどを取付けることで機能を拡張でき,各種作業の動作指令にもとづいて正確に実行する.ここで,ロボットの作業動作は逐一,熟練のロボットオペレータによって主にコントローラ操作で教示される.ロボットが自律的に動作を習得することを目指し,これまでに著者らは,人間の作業動作情報からロボットが未使用の道具の使用方法を真似て学習するアルゴリズムを提唱している[1].さらに,既に学習した操作方法をもとに比較的類似度が高い道具であれば短時間で習得が可能で,高精度に実行できることを示した.本研究では,人間の日常生活の中の現実的作業として掃く動作を対象とし,多種多様なほうき状道具と回収対象物の組み合わせを検証することで,ロボットによる高速な模倣学習能力の適応性を評価する.これにより,扱う道具と対象物が清掃能力に及ぼす変化と,その傾向について明らかにする.また,類似度の大小が模倣学習の高速化に与える影響について確認し,類似度については,複数の道具を用いて,計算手法の妥当性を検証する.

  • ジメネス フェリックス, 加納 政芳, 早瀬 光浩, 吉川 大弘, 田中 貴紘, 金森 等
    原稿種別: 原著論文
    2021 年 33 巻 4 号 p. 819-826
    発行日: 2021/11/15
    公開日: 2021/11/15
    ジャーナル フリー

    近年,ロボット関連の技術進展により,教育場面での使用を想定した教育支援ロボットの研究開発が行われている.従来研究では,数学から図画工作などを学習内容としてロボットが学習者に教示することで,学習者に与える学習効果を検証している.一方で,高齢者に対して運転行動の改善を促すロボットなども存在する.運転技術の教材では,実際の運転映像を使用して教示されることが多い.動画などを用いたメディア教材による学習法は,学習者に与える学習効果が高いことも報告されている.しかしながら,ロボットが危険運転動画を用いて教示することが,危険運転動画によるメディア教材単体による学習方法に比べ,学習者に与える学習効果を向上できるかが検証されていない.そこで本論文では,危険運転動画を用いて,ロボットが学習者に運転行動を教示することで,学習者に与える習得度を検証する.本論文における習得度とは,学習後に学習した情報をどれだけ習得しているかと定義する.実験では,危険運転動画を用いてロボットから教示を受ける群と,メディア教材を用いた学習システムから教示を受ける群間を比較する.

ショートノート
  • 加藤 優太, 加納 政芳, 中村 剛士
    原稿種別: ショートノート
    2021 年 33 巻 4 号 p. 827-832
    発行日: 2021/11/15
    公開日: 2021/11/15
    ジャーナル フリー

    ロボットの行動則を獲得する方法に逆強化学習を用いて報酬関数を設計する方法がある.ここで,状態空間は,次元数が増えるにつれて指数関数的に大きくなるため,状態空間の広さに対して,観測できる状態遷移数の割合は激減する.部分的な状態遷移情報からでも報酬関数を設計することは可能であるが,得られた報酬関数にはあいまい性が存在することになる.あいまい性を含む報酬関数を用いて学習する場合には,あいまい性を許容可能な報酬関数が必要となる.そこで本稿では,逆強化学習で設計された報酬関数のもつあいまい性をファジィ推論によって数値化する手法を提案する. 実験の結果,提案手法によって,危険度や安全度を考慮した行動系列を学習できる可能性が示唆された.

  • 大須賀 慶真, 中村 剛士, 兼岩 尭希, 加納 政芳, 山田 晃嗣
    原稿種別: ショートノート
    2021 年 33 巻 4 号 p. 833-838
    発行日: 2021/11/15
    公開日: 2021/11/15
    ジャーナル フリー

    対話型デザインは一種の最適解探索問題であり,効率的な探索のためには初期値設定が重要である.この初期値設定問題に対して,任意オノマトペを利用可能なオノマトペ・シソーラス・マップによって解決する手法を我々は先行研究において提案した.先行研究の実験では,毛筆フォントデザインシステムを事例として提案手法の評価を行い,デザインパラメータ空間において,最適値近傍に初期値設定できることを示した.この実験評価では,デザインパラメータ空間内の最適値と初期値間のユークリッド距離を用いて他手法との比較評価を行ったが,このユークリッド距離と画像処理効果の変化量の関係は線形ではなく,デザインパラメータ空間内の位置によって緩急が発生する.そのため,このユークリッド距離による評価のみでは提案手法の有効性が十分に示されていない可能性がある.そこで本研究では,最適値と初期値によって作成できる両者の画像処理効果について,主観評価によって類似度を評価した.先行研究と同様に他手法と比較評価したところ,提案手法が最適値によって作成した画像処理効果と最も類似しており,統計的に他手法と有意な差があることが示された.

  • 平野 裕己, 松木 亮介, 早瀬 光浩, 加納 政芳, ジメネス フェリックス, 吉川 大弘, 田中 貴紘, 金森 等
    原稿種別: ショートノート
    2021 年 33 巻 4 号 p. 839-844
    発行日: 2021/11/15
    公開日: 2021/11/15
    ジャーナル フリー

    近年,交通事故全体に占める高齢運転者の事故割合の増加が問題となっている.高齢者が交通事故を未然に防ぐためには,自身の運転を振り返り,運転行動を改善することが重要である.我々は,運転行動を改善するために,自宅で運転を振り返るためのシステムを構築している.本稿では,同システムのための,運転記録動画から自動車と停止線間の距離を推定するための包除積分を用いた距離推定モデルを提案する.まず,モデルを構築するために,自動車までの距離が既知のマーカーを配置した画像を取得する.次に,包除積分のtノルムを変化させた複数のモデルを構築する.そして,得られたモデルによる推定距離を比較する.

一般論文
原著論文
  • 三谷 慶太, 星野 孝総
    原稿種別: 原著論文
    2021 年 33 巻 4 号 p. 845-859
    発行日: 2021/11/15
    公開日: 2021/11/15
    ジャーナル フリー

    脳活動を測定するために脳に関するデータを取得可能なMagnetic Resonance Imaging (MRI,核磁気共鳴画像法)などの計測機器が活用されている.これらの計測機器を活用して,学習に関する様々な研究が行われている.しかし,長期間の測定は参加者への負担も大きく,また短期間で複数回の連続計測は,身体的影響が指摘されている.その場合,オフラインで学習度合いを測ることで,参加者への身体的負担や精神的負担の軽減につながると考えられる.本稿では,人間の学習過程をMRI計測する場合を考え,事前の長期間の学習で,どのように学習が進んでいくのかを観測するパフォーマンス実験について結果を示す.それらのデータをもとにして,学習度合い予測モデルを提案する.これらのモデルから,生体計測を行うための適切なタイミングを学習度合いから議論し,モデルを検証する.

  • 花房 竜馬, 荒木 健治
    原稿種別: 原著論文
    2021 年 33 巻 4 号 p. 860-871
    発行日: 2021/11/15
    公開日: 2021/11/15
    ジャーナル フリー

    近年,精神疾患患者の増加に伴い,精神治療におけるカウンセリングの需要が急増している.しかし,精神治療への抵抗感や費用の高さから治療を受けられず,疾患の悪化により自ら命を絶つケースも少なくない.現時点では,心理療法士と同等の精神治療を代行できる対話システムは存在しない.本論文では,心理療法における問題の認識を自動的に行うために,相談者の発話から悩み文,心情文を自動抽出する手法を考案した.その手法を基に,ルールベースによる抽出システム,類似性による抽出システム,分類器による抽出システムを開発した.各抽出システムにより性能評価実験を行った結果,分類器による抽出システムがF値0.73と最も良い性能を示し,提案手法の有効性が示された.

  • 戸田 雄一郎, 宮瀬 光梨, 岩朝 睦美, 和田 亮雅, 竹田 宗馬, 松野 隆幸, 久保田 直行, 見浪 護
    原稿種別: 原著論文
    2021 年 33 巻 4 号 p. 872-884
    発行日: 2021/11/15
    公開日: 2021/11/15
    ジャーナル フリー

    未知環境において移動ロボットを自律行動させる場合,ロボット自身が自己位置推定および障害物の認識,目的地までの行動計画を行う必要があり,各タスクに応じた作業空間の環境地図を必要な粒度で獲得しなければならない.また,このような自律移動ロボットを災害現場や商業施設など様々な環境へ導入するために,未知環境において状況や用途に応じた経路計画を行う必要がある.そこで本研究では,高精度な自己位置推定のために用いる粒度の細かいメトリックマップから経路計画に適したトポロジカルマップを獲得するために,自律移動ロボットのためのGNGに基づく環境のトポロジカルマップ構築に関する新たな手法を提案する.本提案手法では,メトリックマップに含まれている占有度情報を環境地図の幾何的な構造を保持したまま学習することが可能である.つぎに,提案手法により位置情報と占有度情報を含んだトポロジカルマップを構築し,占有度を考慮した未知環境における経路計画手法を提案する.さらに,実機を用いた検証実験において未知環境における経路計画実験を行うことで提案手法の有効性を示す.

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