本研究は,TVOCから推定されるMOX型CO2センサのeCO2の出力が,気圧・温度・相対湿度といった環境要因に影響されるため,在室者数推定への直接利用が難しいという課題に対して,気圧を説明変数として組み込んだ回帰モデルに基づく較正法を提案する.MOX型センサと参照値として用いるNDIR型センサを同一環境に設置し,CO2,TVOC,温度,相対湿度,気圧の多日連続データを収集して較正モデルを作成する.気圧の導入によって精度が向上し,線形回帰,多重線形回帰,2次多項式回帰,ランダムフォレスト(RF)を比較した結果,最良のRFにおいては較正前に比べてRMSEの誤差が約42%改善した.在室人数推定においては,RFの回帰モデルを用い,CO2,照度,温湿度,時間に関する特徴量を説明変数に用いた手法を検討した.NDIRのみを用いた場合が最良であるものの,eCO2においては較正値を用いることで精度が改善し,照度と時間特徴を組み合わせることで,NDIR単独に近い精度が実現できることを確認した.