2026 年 38 巻 2 号 p. 660-664
本研究では,培養神経回路網を用いて,2連続刺激に対する応答活動から履歴依存的な神経活動を抽出する手法を提案した.神経活動を1 msの時間窓で区切り,同時発火電極の空間分布を瞬時空間パターンとして定義し,その連続データを画像化して畳み込みニューラルネットワーク(CNN)に入力した.異なる刺激間隔条件で得られた画像を,深層CNNにより識別し,各刺激間隔条件の識別精度を履歴依存的な神経活動の発現指標として評価した.その結果,刺激間隔が長い条件では誘発応答パターンは互いに類似するため,識別精度が低下することが確認された.2つの誘発応答が異なって識別精度が高い期間は刺激間隔が1–2 s程度であり,この間,履歴は持続することが示された.また,識別寄与率の解析により,短い刺激間隔条件下ではスイープ間で発火時刻が揃う傾向があり,神経回路網の内部状態が一時的な安定状態を形成する可能性が示唆された.