2022 年 35 巻 2 号 p. 74-82
インプラントの簡易的症型分類としてRTB分類を提案した.R:Rehabilitationは,インプラントの治療目的として,R1:咀嚼機能,R2:審美機能,R3:義歯の機能回復目的とし3群に,T:Timeは,埋入からの経過年数として,T1:<10年,10年≦T2<20年,20年≦T3とし3群に,BはBone,インプラント周囲の骨吸収状態を示し,B1吸収なし,B2<3 mm,B3≧3 mmとし3群で評価し,R1T1B1からR3T3B3まで27通り(3×3×3=27)に分類した.またRTB分類の有効性を判定するために,1990~2019年の30年間に,2施設で1,463本,294名のインプラントの調査を行った.骨吸収はデンタルエックス線検査から判断した.1,463本中脱落または撤去されたインプラントは110本あった.これは全本数の7.52%で,単純な残存率は92.48%であった.その結果,RTB分類のR項目およびB項目において,撤去比率との間に有意に関連性がみられた.骨吸収が3 mm以上のB3群は,骨吸収がみられないB1群および骨吸収が3 mm未満のB2群に比較して有意に高い撤去比率であった(p<0.01).RTB分類は,インプラントの予後の判定に有効な指標となることが示唆された.RTB分類の特徴は,その簡易性であり,判定に1)医療面接,2)口腔内診査,3)デンタルエックス線検査,のみで判断できるためインプラント治療を行っていない,また経験年数の少ない歯科医でも分類可能なところである.