2023 年 36 巻 2 号 p. 134-139
東京医科歯科大学病院歯系診療部門口腔機能系診療領域口腔インプラント科(旧東京医科歯科大学歯学部附属病院インプラント外来)では,1996年度より5年ごとに新来患者の動向について報告を行ってきた.2021年度の本大学口腔インプラント科の新来患者総数,性別患者数,年齢別患者数,来院理由別患者数をまとめ,過年度との比較,分析を行った.
新来患者総数は1996年度の275名から2011年度の1,643名をピークに増加したが,その後減少し,2021年度は955名であった.性別患者数は,いずれの年度においても男女比がおよそ1:2であった.年齢別患者数は1996年度から2001年度は50歳代,2006年度以降は60歳代が多く高齢化の傾向がみられたが,2021年度では50歳代が最も多かった.来院理由別患者数はインプラント治療希望が8割を占め,他の年度と大きな変化はなかった.他院で治療したインプラントの不調を主訴とする患者は,1996年度以降2011年度まで増加し,2016年度では横ばいであったが,2021年度では減少した.2021年度では新来患者総数や高齢患者数の減少がみられたが,これは新型コロナウイルス感染症の流行による影響が関連していると考えられる.