2023 年 36 巻 3 号 p. 151-159
加齢とともに現在歯数が減少する際に,下顎に比べ上顎歯の喪失スピードが速い症例がある.そのような症例に対し治療介入しても,上顎歯の減少を食い止めることができず咬合崩壊してしまうこともある.そのような上減の歯列と呼ぶ症例に対しては,より徹底した治療介入が必要であり,主に「臼歯部の咬合再建」と「上顎前歯部の補強」に注力することが望ましい.また臼歯部の咬合再建の一手法として,上顎の義歯床下にインプラントを埋入するIARPD(Implant AssistedRemovable Partial Denture)も有効と考える.