日本口腔インプラント学会誌
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特集 デジタルテクノロジーが変革するインプラント治療
ガイデッドサージェリーの現状と有用性:静的ガイドと動的ガイドの応用
木津 康博
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2024 年 37 巻 1 号 p. 15-25

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抄録

歯科インプラント治療では,その治療過程にデジタルテクノロジーを応用することが近年さらに注目されている.特に,補綴装置を想定したシミュレーションに基づきインプラント埋入までをガイドするガイデッドサージェリーは,併発症を回避した安全な手術が実現できるだけでなく,補綴装置を考慮した理想的な埋入位置を獲得できる.このデジタルテクノロジーを応用した補綴主導型インプラント治療であるガイデッドサージェリーは,インプラント治療に必須の術式となっている.

ガイデッドサージェリーは静的ガイド法と動的ガイド法がある.サージカルテンプレートを用いて正確なインプラント埋入を実現する静的ガイド法は,さまざまな症例に応用され良好な治療結果を獲得してきた.しかし,サージカルテンプレートを口腔内に装着して行う手術のため,抜歯窩や最後方臼歯部のインプラント埋入などでは正確な埋入が困難な場合もあった.一方,最近登場した3Dナビゲーションシステムを用いた動的ガイド法は,3D情報がリアルタイムにガイドするフリーハンド手術が可能となるため,静的ガイド法では困難であった症例においても正確なインプラント手術を可能とした.

本稿では,インプラント治療に必須の術式となったガイデッドサージェリーの現状と有用性について報告する.さらに,静的ガイド法と動的ガイド法の特長と留意点について,臨床症例を通して解説する.

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