日本口腔インプラント学会誌
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症例報告
インプラント周囲骨吸収を認めた開咬患者に対し咬合再構成を行った1症例
吉村 麻里奈長 太一長 清美堀 聖尚三冨 純一山田 健太郎長谷川 健瓦井 徹山口 一史竹田 智郎松沢 祐介吉村 治範
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2024 年 37 巻 1 号 p. 53-58

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抄録

近年,インプラント周囲骨吸収に関する細菌感染以外のさまざまな要因について注目されている.そのなかでオーバーロードも重要な要因の一つとして挙げられる.しかし,インプラント周囲骨の吸収原因がオーバーロードか感染かを鑑別するのは困難である.今回我々は,咬合治療することでインプラント周囲の骨吸収が改善した症例を経験したので報告する.

患者は49歳,女性.37の歯肉腫脹を主訴に当科を受診した.開咬および37の歯根破折,47部インプラント周囲の骨吸収を認めた.37の抜歯後2か月で36部にインプラント埋入術を行い,暫間補綴装置によるアンテリアガイダンスを付与し前歯部の咬合離開の改善を行った.その後,最終上部構造を装着した.47部の骨吸収の改善を認めた.術後9年が経過した現在,良好な経過をたどっている.

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© 2024 公益社団法人日本口腔インプラント学会
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