日本口腔腫瘍学会誌
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原著
下顎骨再建プレートと軟組織再建を用いた下顎再建例における合併症の検討
野口 忠秀土屋 欣之伊藤 弘人松本 浩一小佐野 仁志神部 芳則草間 幹夫
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2009 年 21 巻 1 号 p. 45-50

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抄録

われわれは,下顎骨切除後の再建において,下顎骨再建プレートと軟組織再建を用いた下顎再建例における合併症の頻度と内容について検討した。
対象は,下顎骨切除後に再建プレートと遊離組織皮弁あるいは有茎皮弁により再建を行った22例を対象とした。内訳は,男性14例,女性8例,年齢は35歳から81歳(平均:68.0歳)であった。原疾患は,下顎歯肉扁平上皮癌が最も多く17例,次いで舌下腺腺様嚢胞癌,下顎エナメル上皮腫がそれぞれ2例,下顎軟骨肉腫が1例であった。術前治療を行ったものが13例で内訳は化学療法(C)+放射線治療(RT)が5例,Cのみが4例,RTのみが4例であった。術後治療は7例で,内訳はRTのみが6例,C+RTが1例であった。
再建プレートの合併症は6例(27.2%)で,スクリューの緩みが3例,破折,感染,露出がそれぞれ1例ずつであった。スクリューの緩み,破折と感染はいずれも近位端で発現していた。また再建プレートの合併症の発現は,有歯顎で十分に咬合負荷が可能な症例であった。
下顎切除後のプレート再建を行う際は,術後合併症を避ける方策をとるべきと考える。

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© 2009 一般社団法人 日本口腔腫瘍学会
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