日本口腔腫瘍学会誌
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原著
舌扁平上皮癌周囲に異型上皮を認めた症例の検討
八木原 一博出雲 俊之石井 純一桂野 美貴宮嶋 大輔柳下 寿郎岡部 貞夫
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2013 年 25 巻 2 号 p. 21-31

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抄録

要旨:われわれは1975年から2005年までに当科において生検なしで局所切除単独治療を行ったStage I,II舌扁平上皮癌一次症例128例のうち,癌周囲に異型上皮を認めた83例(65%;83/128)について臨床病理組織学的に検討した。
異型上皮を口腔癌取扱い規約(第1版,2010年)により再評価したところ,口腔扁平上皮内腫瘍(OIN)が35例,口腔上皮性異形成(OED)が48例であった。83例のうち,54例(OIN;21例,OED;32例,評価不可;1例)が切除断端に異型上皮を認めた。22.9%(19/83)が再発し,27.8%(15/54)が粘膜断端異型上皮陽性の再発で,OIN症例は42.9%(9/21),OED症例は18.8%(6/32)であった。切除から再発までの平均期間は,OEDが57か月(46~70か月),OINが10か月(3~33か月)で,OINが有意に短かった(p=0.0015)。
結論として,口腔癌取扱い規約によるOINならびにOEDの分類は,異型上皮から浸潤癌へ進展する危険性を検討する上で有用であり,OIN症例は再発が多くみられることから可及的速やかに治療すべきである。

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© 2013 一般社団法人 日本口腔腫瘍学会
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